TORU NI TARINAI
GROUP EXHIBITION by OFS.TERAKOYA TOKYO 2025
INSTALLATION | FINE ART | GRAPHIC ART | GRAPHIC DESIGN
2025 TOKYO, THE CAMPUS FLAT TOGOSHI GINZA
とるに、たりない。
とると、たりる。
ひびを、まるめる。
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とかく、未来の話をする時代になった。
老後2000万円問題、AIと人間と協働の行く末、環境汚染など、枚挙にいとまがない。
ブラジルのアマゾン流域に暮らすピダハンという民族は、過去・未来の概念を持たないそうだ。
存在するのは、「今」だけ。
わたしが、「今」に集中できなくなって、どれくらい経つのだろう。
そう気づいてからは、自分が毎日一体何をしているのか、よくわからない。
わからないからわかりたいというより、なんだか気持ちが悪いから落ち着かないといったほうが正しいのかもしれない。
「今」に集中できなくなった理由を考えてみると、未来に意識が行きすぎていることに気がついた。
そして、今やっていることに「意味があるのか」を極端に気にするようになっていた。
なぜ生まれたのか、という問いに答えがないように、毎日生きることに、特段意味はない。
そう考えると、ひびのいとなみそのものに、意味を求めること自体が無意味なのではないか。
これは、わたし自身が「今」という時間にゆるやかに集中するための試みだ。
276日のひびを書き留めた276個の日記による作品で、自身の救済のために取り組んだものである。
2025. 4. 3 井上麻由
実際のインスタレーション。OFS.TERAKOYA主催のグループ展示会に参加。
Photo by Makoto inoue